異世界からの殉教者

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終焉たる闇の中に引き込んだ儚き灯火の数は幾万と―― 異物を巻き込み、引き裂く鋭刃は満たれる事を知らず―― 常に腹を空かせる―― いつ刃は肉を裂く事を飽く? いつその魂は血を啜〔すす〕るを止める? いつ血濡れの瞳を閉じる? 漂う亡き命を安らかに眠らせる安楽の闇―― 歪みを産む命を略奪する絶望と絶滅の闇―― 愛しき命を傷つきながらも護る博愛の闇―― そして冷酷に異端の侵略を狩る虚空の闇―― 彼は暴虐の竜。 彼は純白の闇。 彼は蒼黒の魔獣。 ふわりふわりと吹く風に黒を棚引かせながらも狩場へと赴く。 世界を蝕む異端を殲滅するために――
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