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「マルチェロ~…!」
不意にかわいい声がしたかと思うと、少女が走ってきた
『たも~!』
「あっ……!マルチェロ…ここにいたんだね…。」
なんだ、この子がコイツの飼い主なのか、ってかマルチェロってまたシュールな名前だな
「君が飼い主かい?」
言いながらコイツを少女に渡す。その間、また指を噛まれそうになったのは秘密だ。
「…っ!!あ、ありがとう…ございます!」
彼女はコイツを抱き上げ、か細い声でそう答えた。
一息おいて、
「私…ルーチェ。ルーチェ・ルバイヤートって言います…。この子はペットのマルチェロ…。その…、コピースライムの仲間なんです…。」
「えっ!?ルバイヤートってルバイヤート伯の家の子なの?」
カノンがすかさず質問する。
「はい…。」
「驚いたぁ~…、貴族の子が森の中にいるなんて…。危ないよ?」
「少し…お散歩してたんです…。家の規則が厳しいから…その、抜け出して来ちゃいました。そうしたら、マルチェロが急に森の方に行っちゃって…。」
それでさっきに繋がるわけか
「お姉さん達は軍の人なんですよね…?」
「うん。私はカノン。彼らは結人とバロンよ。」
カノンは俺達を指差しながらルーチェに紹介した
「帰るぞ…。遅くなると厄介だ。」
空を見ると既に日は落ちかけ、星が見え出していた
「いけない…!早く帰らないとお父様に叱られちゃう…!」
「そうだな。俺達も帰ろう。」
その後各々が語り合いながら帰路につき、俺は軍部に薬草を届け、初日の任務は終了した。
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