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「えー期末考査も無事、終わることが出来ました。先生方、お疲れ様です」
校長の言葉と共に緊迫していた職員室も、一気に穏やかに変わった。
数学のテストの日
監督として、望月の教室に行った時、望月は真剣に数学の問題を解いていた。
俺が入ってきたのも気付かずに
少し寂しい気もしたが、声など掛けれるわけがなく…
でも今日からは違う。
もうテストは終わったんだ。
またいつもみたいに望月の笑顔を間近で見ることが出来る。
テスト最終日でもある今日は午後からは殆どの部活動が再開される。
部活動に入っていない生徒はすぐに帰ってしまうので、生徒達の声が飛び交うグランドに比べて校舎は静かなものだった。
だからだったのかもしれない。
俺にははっきり聞こえたんだ。望月の声と
―――向井の声が
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