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すると、向井くんはフッと笑って
「って言うのが口実。――本当はただ望月と一緒に帰りたかっただけ」
ドキッとした。
不意に出てきた台詞に
「なにそれ~」
心拍数を抑えるように笑って誤魔化すしかなかった。
心にもないこと言わないでほしい。
自分でも勘違いしちゃうじゃん。
この言葉に深い意味はない…よね??
徒歩5分で最寄り駅から電車に乗った。
もちろん、同じ地域に住む向井くんも同じ車両に乗って
混んでいた電車の中であたしを守るようにして立ってくれていた。
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