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高校生………??
「あの、失礼ですがそれって「…さぁ、後は家に帰って作るとしますか」」
田崎先生は立ち上がると眼鏡を外して最後に言った。
「――…結局は“年の差”なんて関係ないんですよ。……勿論、“先生と生徒”こんなのは、ただ一瞬だけで何年か経てば、過去にしか過ぎない」
田崎先生が出ていった後、俺は何だか頭がついていけていない。
『と言えば、水谷先生も少しは気が楽になるでしょう』
最後の言葉が妙に引っ掛かる。
まるで自分が経験したように
そして俺がそのことで悩んでいるかのように。
「―クッ、ハハ……」
何もかも田崎先生に見過ごされたようで、思わず嘲笑してしまう。
でも勇気が出たっていうか、安心した。
例え、俺が望月が好きで“先生と生徒”の関係を壊そうとしていたとしても
きっと、あの人は驚きもせず、反対もせずに見守ってくれるだろう。
そう考えると、心の中にあったモヤモヤが消えて
望月に会いたいと思った。
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