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「真由…!!」
「…いやっ―――!!」
向井は望月の腕を引っ張って望月を無理矢理抱き締めている。
「―何やってるんだ??」
俺はどうかしてるんだろうか??
この場に割り込むように入っていくのは。
でも体が熱くなっている。
やりきれない気持ちが左手の拳に伝わり、握り締めている手が痛い。
こんなに逆上しているのに、頭だけは変に冷静さを保っている。
「…水谷先生……」
向井は俺の名前を呟き、抱き締めていた腕を緩めた。
望月はその瞬間に向井を押し、教室を出ていった。
俺の方を一度も見ずに。
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