先生

15/15
1047人が本棚に入れています
本棚に追加
/89ページ
「真由…!!」 「…いやっ―――!!」 向井は望月の腕を引っ張って望月を無理矢理抱き締めている。 「―何やってるんだ??」 俺はどうかしてるんだろうか?? この場に割り込むように入っていくのは。 でも体が熱くなっている。 やりきれない気持ちが左手の拳に伝わり、握り締めている手が痛い。 こんなに逆上しているのに、頭だけは変に冷静さを保っている。 「…水谷先生……」 向井は俺の名前を呟き、抱き締めていた腕を緩めた。 望月はその瞬間に向井を押し、教室を出ていった。 俺の方を一度も見ずに。 .
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!