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振り返ると向井が立っていて、その視線の先には会いたかったはずの望月が走っていた。
見られた…??
「お前はもう行け」
と女子生徒を望月が行った方向と逆へ押し出し、望月の後を追おうとした。
誤解を解くために
「水谷…――」
向井の横を通り過ぎようとした時に呼ばれた名前。
「お前がはっきりしないから、望月が苦しむんだ。今ちゃんと伝えなかったら、振られた俺だけど、また奪うから。…早く行け、糞ヤロー」
ムカつくような台詞だったが、今の俺には最高の台詞だと思った。
「渡すかよ…」
俺が笑うと向井も笑って背中を押してくれた。
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