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「あぁ」
舞雪は恐怖に捕らわれていた。
人の惨殺死体を見るのも初めてだったし、何よりもその死体を作り出した本人が・・・その死体を笑いながら食べているのだ。
ホラー映画ではありそうな行動だが、リアルにそれを目の前で見ている。
そんな状況が、精神を恐怖で蝕んでいくのがわかった。
「まぁ、この程度の力しかないか」
男がふとつぶやいた。
と、そこに
「到着~」
純がノー天気な言葉を発した。
が、その場の惨劇に顔をしかめた。
「・・・竜ちゃん」
純が状況を理解したようだ。
「誰だ?」
あのテラーらしき男が言葉を発した。
「リアルルの社員だよ」
男の目が見開いた。
どうやら会社の名前を知っているようだ。
この業界では、というかテラーの間では『リアルル』は結構有名なんだよな。
「くっくっく」
男が口から血を滴らせながらうれしそうに笑った。
「こんなところでいい食材に出会えるとはうれしいよ」
・・・あぁ、そういうことか。
俺は瞬時に理解した。
純はいまいち気づいてないようだが。
こいつは「グール」生きた死体だ。
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