鬼の上司

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ただ、油断は出来ない。 もしヤツが他のテラーを食っていたら能力が解らないからだ。 不安は的中した。 早さで勝る純は懐に潜りこみキツイ一撃をお見舞いしようとした。 ところが急に辺りが冷え込み純の腕が凍りついた。 「ぐっ!?」 純が退いた。 そこを狙って更に凍りつく息を吐き出したのだ! オオカミだけあって寒さには強いがそのレベルを超えている。 「純!」 「・・・ダイジョブ」 どう見ても体の半分は凍っている。 常人なら凍りついて砕けているだろう。 「おっさん、誰を食ったんだい?」 「・・・・・・・」 言うわけないか。 「純!交代だ!」 「う~~~!」 ・・・不満そうだ。 「さてと」 能力解放! 辺りにすさまじい妖気が漂いはじめる。 俺はヴァンパイア。 テラーの中でも頂上に位置する者。 そして力の象徴。 が、ヤツは動じない。
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