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自らのカーネジシザーによって、自らを追い込んでしまったラグニャは激しい後悔の念に襲われていた。
(畜生、何でこうなるんだ!こうなったら『あれ』をやるしかねぇ。)
ラグニャはカッポンを捨て、ようやく大剣を取り出し構えた。
「兄さん、ようやくやる気になってくれたんだね。嬉しいよ。」
ジンもユキアネサを構えた。
すると、ラグニャはタオカカとアラクネが戦ってる方に走り出した。
倒れてる萬駆はもちろんスルー。
「こいつを喰らえ!」
ラグニャはアラクネの体内に手を突っ込み、蟲を一つ取り出すとジンに投げつけた。
「ちょ、俺マジで虫苦手なんだけど。ウィキペディアにも…」
ジンが慌てて虫を避けた。
口調も声も少し変わってる。
「って、これは中の人の弱点だよ兄さん。慣れない突っ込みをさせるなんて、兄さんは相変わらず無茶ばっかするなぁ。」
「投げた俺も俺だけど中の人とか言うなよ。」
ラグニャが言う。
そして、またピンチになる。
(くっ、腹が減って力がでねぇ。それさえなきゃジンなんて余裕なのに。)
そう思うラグニャ。
「何を考えごとをしてるんだい兄さん。」
そんな間にもジンがじりじりと迫ってくる。
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