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(さて、ここから近くのコンビニまではそう遠くないな。)
テイガーが地図を確認する。
テイガーのステップですらない移動で急ぐ。
…スレッジとか?
「急ぐニャス!」
急にテイガーの後ろから叫び声が聞こえた。
何かが走って来てるようだ。
ドスッ
テイガーにぶつかる。
ぶつかったものはどうやら尻餅をついたようだ。
しかし、テイガーは全くびくともしない。
「ん?すまない。ぶつかってしまった。その格好はカカ族か?」
テイガーが振り向き手を差し伸べる。
「…いたた。カカ族じゃなくてタオニャス。」
タオカカが立ち上がる。
「もう…無理。」
タオカカに引きづられるように運ばれてたラグナがつぶやく。
「そうか。にしてもなぜこんな所に?というよりその引きずってるものは?」
テイガーが訊ねる。
「タオはお金を貰ったから、今からコンビニに高級肉まんを買いに行くとこニャス。それで、これは良い人ニャス。」
タオカカが答える。
「私もこれからコンビニに行くとこなんだ。」
テイガーが言う。
「ふぇー、タオは急いでるから先に行くニャス。じゃあにゃ、デカい人。」
そう言ってタオカカはラグナを引きずりまた走り出した。
「ちょっと待て。」
テイガーがそれを呼び止める。
するとタオカカは急ブレーキをかけた。
「ぐふっ!」
その反動で、ラグナが電信柱に打ちつけられた。
しかし、タオカカはそれを気にしない。
「どうかしたニャスか?」
タオカカが訊ねる。
「いや、高級肉まんはもう売ってないと思うのだが…。」
テイガーが指摘する。
「ニャ、ニャんと!」
タオカカが想像以上のショックを受ける。
「仕方ないニャスな~。チ●ッパチャップスをいっぱい買って我慢するニャスか…。」
タオカカが呟く。
「いや、チ●ッパチャップスはやめて貰いたいんだが…。」
そんなテイガーの言葉は気にせず、タオカカは走り出していた。
「あだ、いだだだた。」
引きずられてるラグナの悲鳴だけが響いていた。
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