一話

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「悪いけどパス。俺今日ポスターカラー買いに行くから、そんな暇ねぇんだわ。お前も遊んでねぇでたまには芸術と向き合ってみたら?」 面倒事を避けるがために健一は器用に芸大生の特権的セリフを吐く。芹也は、嫌だと言わんばかりに健一の腕を強引に引っ張りながら、 「そんなこと言うなよ~!サトが来たら可愛い子いっぱい呼べるんだよ~。サトだって、彼女欲しいだろ?運命感じちゃいたいだろぉ?」 「何だよそれ……感じたくないし、彼女もいらねぇ。俺は今の生活に満足してんの!」 「じゃあ、俺を満足させろぉ!!俺の周りをハーレムにしてみせろぉ!!」 「………………」 また意味の分からん事を言い出したぞ、この友人。
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