‡初節句‡

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翌朝、早速弾んだ声で電話をして来た父 「ヨーコ 将人は大丈夫だかんな♪ 夕べも、ミルクいっぱい飲んでぐっすり寝てたし 何も心配しなくて、大丈夫だかんな♪」 「う…ん」 朝からこんな電話貰っても、ちっとも嬉しくも何ともない。 本人は私が心配してるだろうと思って、かけて来たんだろうけど 私からしたら、ふざけんな!! としか思えない。 自分の思い通りに行かなければ、暴れたり怒鳴りつけたりして、今度思いが通れば急に機嫌が良くなって… まるで子供と変わらない。 弾んだ父の声を聞きながら、しらけて行く私。 「大丈夫だから心配すんな。」 なんて言われても、誰も喜べやしないよ。 自分の子供取り上げられて、ご機嫌で報告されてもねぇ。 コレが昨日、父の意見を振り切って、マァ君を連れて来たら大変な騒ぎになってたはずだ。 「出てけ!! もう、帰って来なくていいや!!」 こんな事言われてたと思う。 それが自分の思いが通った途端、ご機嫌で下手になっての電話 いい加減にしろや!!! と言いたいよ。 本当に、他人の気持ちが分からない人だよね。 さもさも、モッチャンと2人にさせてやってるんだと言わんばかりの口振りだ。 自分が、マァ君と離れたくないだけだったくせに… 良く寝たとかミルクが云々よりも、まだ小さいのに離れたりしたら、私の事忘れちゃうんじゃないかって、そっちの方が心配だよ。 私の気持ちも知らず、終始ご機嫌で一方的に喋りまくってる父が憎らしくて堪らなかった。
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