私を抱きしめて(結婚編)

‡初節句‡

五段飾りに拘る母は、納得出来なかったんだろう。

結局自宅には、弟の時の五段飾りを出してしまった。

今時のものと比べても、見劣りするどころか逆に立派過ぎる程立派だ。

とにかくお姑さんが、口やかましい見栄っ張りだったから、かなり母の実家でも気張ったようだ。

本当に、お眼鏡に叶わない物は、突き返す位遣りかねない祖母でしたから…

娘が嫁ぎ先で、少しでも辛い思いしないようにと言う精一杯の親心だよね。

でも、初節句の当の本人は、何も分かってないんだけどね(笑)

健やかな成長を願って…

周りのギャラリー達が勝手に盛り上がってるだけでね(笑)

今回モッチャンの家には、両親と私とマァ君だけで行く事になった。

モッチャンの家は狭い事もあり、私の方の身内は身内だけで、既にお祝いを済ませていた。

内祝いの柏餅も老舗の和菓子屋でかなり気張ったので、半分は名入れの濃厚なカステラ、半分は柏餅と言うセットで、柏一枚にも拘ってるさすが老舗と言われるような柏餅だった。

私とモッチャンは、二人で計画を立てていた。

それは、親子三人で過ごす事♪

お祝いの席が済んだら、そのまま親子三人で横須賀に戻って、初めて三人の時間を満喫しようと言うものだった。

普通なら当たり前の事なのに、私達にはなかったから、マァ君を横須賀へ連れ帰る事がとても楽しみだった。

モッチャンと育んだ街を、マァ君にも見せたい♪

離れ離れの私達

親子三人で横須賀へ帰れる事が嬉しくて、私は朝からワクワクしていた。