193人が本棚に入れています
本棚に追加
反対されればされる程、何かに取り憑かれたように、離婚に執着するようになってしまった。
頭の中は、離婚する事だけ
あんな男に蔑ろにされた事が、何より私のプライドが許せなかった。
まして、マァ君自体も周りにチヤホヤされてたし、モッチャンと一緒に暮らしてた訳じゃないから、余計に父親の必要性も感じてなかった私
けど、離婚するとは言っても、連絡が取れない事には何も始まらない。
私は、サーチャンと連絡を取る事にした。
あんなにモッチャンと約束したんだから、サーチャンなら私の気持ちを分かってくれるはずだ。
何より、この状況に憤慨するに決まってる。
早速、サーチャンに電話を入れた。
♪♪♪♪♪♪♪♪♪
「もしもし~」
電話に出たのは、奥さんだった。
懐かしい奥さんの声
奥さんも、久し振りの私の電話に喜んでくれた。
一通り、お互いの近況報告をした。
私が上手くやってると思ってたから、私の話を聞いて奥さんもかなり驚いていた。
サーチャンは、今事務所にいるとの事で、追って掛け直すと言う話になって電話を切った。
サーチャンの近況は、女癖は相変わらず悪いらしいが、土建業を辞めて今度は不動産屋を始めたそうだ。
これが時代も後押しして、中々当たっているらしい。
この不動産屋が、以前にも書いた親しい刑事さんに土地を買ってやった話だ。
電話の側で待機してると、折り返し直ぐに、サーチャンから電話が入った。
予め、奥さんから事情を聞いたのだろう。
愕然とした様子が、電話の向こうからでも伝わって来る。
更に詳しく、今までの経緯や事情を、順を追って説明して行っていった。
「なんか…
俺って…
バカみてぇだな…
そんな誠意もクソもねぇ男の為に、テメェの身引いてよ!
お願いします
なんて、頭下げて土下座までしてよ~」
サーチャンが、嘆きたくなる気持ちが伝わって来る。
「………………私も…
まさか…
こんな状況になるなんて、思ってなかったし…」
「イヤッ
俺もお前の事は、恨んじゃいねぇけどよ~
お前が、今幸せになってねぇってのが悔しいよ!」
「う…ん
でも、大丈夫だよ!
籍だけ抜いてキチンとしてもらえればさ♪」
最初のコメントを投稿しよう!