‡給料差押え‡

15/15
前へ
/81ページ
次へ
母の「良く考えてみろ」 と言う言葉にも、もう耳を貸さなかった。 とにかく、どっち付かずの中途半端が一番嫌いだ。 何より、モッチャンが現れない、連絡が取れない事が私を尚更、苛立たせていた。 白黒ハッキリ付けて、もうスッキリしたいよ。 どうして嘘ばかり付くんだろう。 なんで逃げてばかり居るんだろう。 目の前に突き付けられた現実だけで、モッチャンの真意なんてまるで読めてなかったこの頃 別れたくなかったから、本当の事が言えなかったのかな? 最初に借金は無いなんて言わなければ、こんな事にはならなかったのに… 初っ端の嘘が、どんどん複雑な話にしてしまったけど… 本当は、どうなんだろうか? 私と一緒になった事で、返済が滞って借金が増えてしまい自転車操業、そんな事から最終的に給料差押えにまで発展しちゃったのかな? 最後まで、打ち明けられた訳ではないので、真意はわからないし、想像でしかないけど… どれが真実だったんだろうか? それから私は、困惑したままで居る母を振り切るように、離婚届の用紙を持って、サーチャンやモッチャンの居る横須賀に向かった。 すっかり、季節は初夏を迎えていた。
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

193人が本棚に入れています
本棚に追加