73人が本棚に入れています
本棚に追加
ふと、終わりを告げるチャイムが鳴った。すると白いチョークが止まる。パンパンと粉を払い、先生が振り返り、50分間待ち兼ねた言葉を発する。
「これで授業を終わります」
「―…起立、」
委員長の言葉にクラス中が動く。俺はガタガタと椅子が動く音や生徒が伸びたりするのをぼんやりと眺めてた。
「礼」
ざわざわと皆が喋りだす。
「ありがとうございました」
授業が途端に教室が煩くなる。先生に質問をしにいく奴もいれば、女子はグループで集まって話をし始める。
俺はずっとぼんやりとまるで他人事の様に眺めてた。
…なんて下らないんだろう
毎日がずっと同じ。
学校という檻に閉じ込められ、勉強をする。
「はぁ…。」
ため息をつくと、タイミング良くいつも喋ってる奴が後ろから抱きついてきた。
「空響(くう)ーっ!!!」
「んーっ?なんだよ、翔ー?」
…俺はいつも通り、
普通で、友達付き合いの良い、
そんな人間になる。
「空響さぁ、昨日チャット来なかったじゃん!!面白かったよ?なんか雄がさー」
えー、とか適当に相づちしてみた。多分翔の目に映ってるのは笑ってる俺。それに便乗してか、翔は独りでまた話しだした。
最初のコメントを投稿しよう!