いち

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キーンコーンカーンコーン… 先程聞いたチャイムが耳に届き、俺は憂鬱そうに顔をあげた。 いつの間にか寝てしまったようだ。先生はこちらを向くと思いっきり顔をしかめた。俺は下らないと思い、見つめ返す。すると罰の悪そうな顔をして先生は前に向き直った。 「…はぁ…」 教室の明かりが眩しくて目を手で覆う。 「起立、礼」 委員長の抑揚の無い声が聞こえた。 「疲れた…」 ボソリと独りで呟いてさっさと帰る準備を進める。ざわざわと耳障りな、人の喋る声が聞こえてきた。それに混じって翔が後ろから飛び付いてくる。 「翔、一緒に帰ろうぜーっ!!」 「あ、うん。分かった。」 何故こう、群れたがる? 俺はそれが分からない。 家に帰ったらパソコンをしよう。まだ攻略してないゲームがひとつあった筈だ。 自分でも何をしたいのか分からないが、機械は良い。 命令通りに従うし、それ以上の事はしない。 「………下らない」 俺の声は、煩い教室に吸い込まれていった。
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