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大河
「2」
竜児(N)
「少々ショッキングな出だしではあったけれど俺、高須竜児高校二年生の新しい日々は、なかなかにうまくいっていると言えた。」
「そう言える理由は諸々ある。たとえば、俺が悲観していたよりもずっと早く、高須くん=ヤンキー説は払拭されそうだった。」
「そして面倒な委員にされることもなく、くじ引きで得た席も窓側の前から三番目。そこそこにのんびりできる当たり席だ。そしてそして―――」
実乃梨
「……そうしたらさあ、バケツの縁の部分は固まってるのよ。この、なんつーのかね、円周に触れる部分は。ところが中央部は全然液体状態のままで、傾けたらこの円周部分のブルンブルンしたところがこう……」
竜児
「おぅっ……!」
実乃梨
「わあ、高須くん!ごめーん!」
竜児(N)
「一番大切な事項がこれだ。晴れてクラスメートとなった櫛枝実乃梨の存在。これこそが俺の日常を綺麗な薔薇色に染めてくれる、まさしく輝ける太陽であった。……たとえ指で目を突かれたって、眩しさは損なわれることなく俺の心を熱く満たす」
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