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大河
「あっ!」
竜児
「なに、か……?」
大河
「……あ、あんた……なにし、して、してん、」
(悶絶した様子で)
竜児
「……鞄を取りに来ただけ、だが……あ、逢坂?どうした?様子がおかしいぞ?」
大河
「あああ、あんたの、鞄、だって言うの?だってあんたの席は、そこじゃないでしょ?ななな、なんで、なんでそそそそそんな、」
竜児
「……なんでもなにも、北村と喋ってる途中で担任に呼ばれて……ここに置いたままにしておいて……うぉっ!」
竜児(N)
「数メートル先で悶えていたはずの逢坂が、一瞬にして間合いを詰めてきていた。小さな身体のどこにそんな機動力を秘めていたのやら、」
大河
「……っ、……っ、……っ!」
竜児
「ちょっとちょっとちょっと!?あ、逢、坂っ!?」
竜児(N)
「俺が胸に抱えた鞄を引っつかみ、奪おうとするのだ。それはそれはものすごい力で引っ張ってくる。」
大河
「かっ、かし、な、さいよぉ……っ!よこせっ!」
竜児
「かせって、よこせって、言われても……っ!」
大河
「ふんぬぅ!」
竜児(N)
「離せない。俺は男の意地で足を踏ん張る。だって今この手を離したら、逢坂の小さな身体はそのまま後ろに吹っ飛ぶだろう。せっかくそんなふうに気を使ってやっているというのに、」
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