第2話

10/11
前へ
/22ページ
次へ
 *** 大河(手紙) 「――北村祐作さまへ。逢坂大河より。」 竜児 「……こ、これ、か………。ラ、ラブレター……だよな……」 竜児(N) 「愕然とする。とんでもないことになってしまった。要するに、手乗りタイガーは鞄を間違えたのだろう。北村の鞄だと勘違いして、この鞄にこいつを忍ぱせてしまったわけだ。だからあれほど必死になって、鞄を奪おうと。」 竜児 「……ひいっ……」 竜児(N) 「汚したり破損したりしないように、大切に手のひらの上で捧げ持っていたはずの封筒が、目の前で自動的にばっくりと開封されていくのだ。やめてくれ、開かないで、叫ぶように念じるが、どうやらもともと粘着力の弱かったらしい接着部が、自重で弓なりに反った拍子にピリピリと剥がれてしまったらしい。 竜児 「ち、違う……違う違う、俺はなにも見ていないぞ!そうだ、貼り直そう……!そうすりゃバレないよな!」 インコちゃん 「そうですね!」  竜児が糊で元に戻そうとする 竜児 「……あ、あれ?」
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加