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竜児(N)
「思わず作業の手が止まった。横長型の封筒には、中身が入っていないのだ。すこし躊躇しつつも改めて封筒を開き、中を覗き、明かりに照らして透かして見て確認する。やっぱり入っていない。からっぽだ。」
「……なーんだ。逢坂大河。バカはおまえだ。」
――午前二時。
竜児(N)
「不意に目が覚め、憮然と目を見開いた。」
竜児
「……胸騒ぎがするな……」
「……うっ……!?」
竜児が気配を感じ振り向こうとする
竜児
「――っ!」
「……っ、……っ、……っ」
竜児(N)
「真っ暗な2DKに怪しく浮かぶ人影。俺の居所を狙って、そいつは再び棒状のなにかをぶんぶんとブン回し、大きく反って振りかぶる。」
竜児
「うああああっ!」
竜児(N)
「ついにやられる。脳天めがけて凶器が叩きつけられるわけも分からずとっさによけようと伸した両手が、」
竜児が白刃取りをする
竜児
「あ……っ?で、できてる……!」
大河
「……く……っ」
竜児(N)
「輪郭をけぶらせるのは長い髪――そうだろう、とどこかで思っていた。多分ずっと最初から、そんなような気はしていた。しかし犯人がわかったところで……あぁ!もうだめだ!ブルブル震える両手はもはや感覚さえない。強張った首筋も限界、押し切られる」
大河
「……へ……は……っぶしん!」
「あ、わ、」
大河がよろけてベッドに
竜児が電気のスイッチをONに
竜児
「逢坂―――――っっっ!」
大河
「……」
竜児
「ティッシュを使え――――っっっ!」
竜児(N)
「倒れこんだ素振りで上掛けにさりげなく鼻をこすりつけている手乗りタイガー・逢坂大河に、箱ティッシュを投げつけた。」
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