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うーん。
これは明らかに浮いてるね。
羽根、ピコピコしてるし。
「お前何者?」
「サイキュバスや」
「何それ。」
「淫魔っちゅーやつ」
「何それ」
奴はにやりと魅惑的に笑い、俺の唇にその唇を重ね、ちゅっと音を立てる。
「キミにお菓子みたいに甘い悪戯をする悪魔や」
その笑顔が無邪気過ぎて、今度は股間じゃなくて、心臓がずきんって痺れた。
意味が判らなくて、自分の胸を鷲掴みにして目を落とす。
「ハロウィンだから?」
「キミとエッチしたいからやんか」
にっこり笑って、奴は、後ろから俺に抱きつく。
「ボクはお菓子より、イタズラのが好きなんよ」
旋毛に口付ける彼の胸が、俺の後頭部に当たる。
そんなことで、胸がドキドキする。
「午前0時回ったら、お菓子貰ろてもイタズラしてええねんな?」
首筋に押し付けられた股間に、ごくんと生唾を飲む。
「したら、今度はいっぱいイタズラしたるかんなー?」
その無邪気な笑顔に言葉も常識も全て呑み込んだ。
「エッチで気持ちええ、イタズラな」
ばちこーんと音がしそうなほど魅力的で悩殺的なウィンク。
どうやら関係ないと思っていた高校のハロウィンの日、本当のモンスターが俺のところに訪れたらしい。
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