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女の子みたいなのに、その目は意志が強くて、細すぎる腰は彼が男であることを示していた。
それ以前に。
「なんだそのふざけた恰好は」
「ふざけた?!」
そうとしか言いようがないだろう。
レザーのホットパンツに、同じくレザーのスポブラみたいなトップス。
しかも、背中には羽。ピコピコ動く高機能蝙蝠羽。
「夢と魔法の王国に行くにはここから電車に乗る必要があるが。」
「夢は知らんけど、俺は魔法の王国から来たんやけどな」
「じゃぁ、舞○へ帰れ」
「マイハマ?」
「お前、あそこは著作権に厳しいんだぞ」
「そんなんしらんわー」
けらけらと豪快に笑う男を見ていたら、どきゅんって胸が鳴った。
なんだ、どきゅんって。
「おれ、サイキュバスやしぃ」
ぷくって唇うるませて、真ん丸の目うるうるさして。
俺の腰はずきずきしてくる。
「……って、ハロウィンは余所行ってやってくれ」
「ハロウィンってなんやねん」
「そういう仮装でTrick or Treatっていうやつ」
説明しながら、俺の眼はやつの胸元に誘われる。
いやいや、見たって、男だから乳ねーし。
そう思うと今度は、すらっと伸びた足に目が行く。
太ももからその付け根に視線を滑らせる。
あぁ、しっかりもっこりしてるあたり残念。
大変残念な結果だ。
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