ぼくのサイキュバス

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 無垢な瞳が、俺の視線を見ていた。  「とりっく・おあ・とりーと?」  瑞々しい唇の甘い声。  「お菓子くれないといたずらするぞってやつだよ」  のびやかな足に、長い腕、小さな頭。  童貞だからとか、元カノと別れたばっかりだからとか、そんなんじゃなく、猛烈に湧き上がってくるムラムラ。  っていうか、欲情。  欲望。  劣情。  エロス。  「せぇやったら、」  男の滑らかな指先が、俺の頬に触れ、舌先が、鼻先を舐め上げる。  「キミがお菓子くれへんかったら、イタズラしてええんやな?」  吸いついたら柔らかそうな唇がきゅぅぅんと弧を書く。    
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