女神の心

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普段学校につく時間より1時間以上早く来た俺は、なぜか生徒会室にむかっていた。 生徒会室に入ると、鷹ノ宮祭で使うと思われるガラクタがあちらこちらに散らかっていた。 『汚なっ!!』 昨日俺がこんなところで作業をしていたなんて信じられなかった。 俺は汚いところが嫌いだ。 もちろん不潔な奴も虫より嫌いだ。 頭にフケやシラミがついてる奴を見ると鳥肌が立つほど大嫌いなのだ。 俺は無意識のうちに生徒会室の整理をした。 ガラクタの中には、去年使ったであろう“第31回鷹ノ宮祭”と書いてある看板を見つけた。 鷹ノ宮祭というのは、世間で言う文化祭のことだ。 ほとんどの学校は10月のうちにやってしまうけどこの学園は11月なのだ。 鷹ノ宮祭の後には、後夜祭と言う自由参加のイベントがある。 そこでは男女がフォークダンスがありピンク野郎が言うに、あそこで踊った男女は、“永遠の愛”で結ばれると言われている。 毎年200人ぐらいが踊っているが中には女に断られた男どうしで踊る奴もいると言う。 当たり前だが俺はそんなイベントには参加しない。興味がないし、踊る奴もいないから俺にとってはどうでもいぃイベントだ。 だが、生徒会は後片付けもあるので残らなければならない。 なんで生徒会がそんなキューピッド役をしなきゃいけないんだ。 でもこれは鷹ノ宮学園の伝統だからイベントは辞められないらしい。 どうせ、ピンク野郎もどっかのブスと踊るのだろう。 顔はかっこいいからな。 あいつが女と鼻の下伸ばしながら踊っているところを想像すると吐き気がしてくる。 『終わった…』 自分で言うのはなんだが、新築のようなキレイさだ。 俺は上機嫌に携帯を開く。 8時40分だった。 『やっべーー!!!』 朝のHRは8時30分。 どうみても遅刻だ。 俺は1時間以上生徒会室の整理をしていたのだ。 一番最初に学園に来た俺が遅刻なんてほんとに笑えない話だ。 こんな俺でも学園に入ってから、一度も遅刻や欠席はなかった。 『そういえば人の声も多くなってきたと思ってたんだよなー』 そんなのんきなことを言ってる場合じゃない。 俺は朝来たとき同様に全速力で廊下を駆け抜けた。
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