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『あつしーおきろー』
『もう昼だぞ』
俺は将人に頭を叩かれた。
目を開けて体を起こすと教室の中には半分ほどしかいない。
『いま何時だ!?』
『おやじ…』
おれは目の前にいた将人の溝にパンチをかました。
『っう…じょーだんだよ。もう昼休みだよ。おまえずっと寝てたんだよ。実を言うと俺もいまさっきまで寝てたけど…』
『昼はいつもの場所だよな?』
『ぃや、今日はくもりだから教室で食べよう。』
『っえ、でも雨降ってないよ?』
『俺はおまえと同じくらいくもりが嫌いなの!!』
『俺と同じくらい…そんなにくもりが嫌いなのか!?俺と同じくらい嫌いなものがまだこの世にあったなんて…まだ俺はお前の右腕になれねーのか…』
こいつ自覚してたんだ。
ってか右腕ってなんだ!?例えこいつが俺のすべてを知ったとしてもこいつにだけはなられたくない。
『ってことで俺朝、昼飯買ってねーから売店行ってくるわ』
『篤隊長!!わたくしもお供します。篤隊長になにかあったらわたくしは極楽浄土なんて行けません。…っておい!!俺をおいていくなーーー!!!!』
俺はクレイジー野郎をおいて足早に売店にむかった。
鷹ノ宮学園の売店は毎日が戦争だ。皆が我先にと人混みに突っ込んでいく。
俺が向かったときには戦争の勝者が悠々と学園の一番人気“カツサンド”を食べていた。
それでもまだ売店前には戦争が行われている。男女関係なく争っているので、あそこで痴漢してもバレなさそうだ。
『クレイジー将人!お前にラストチャンスを与えよう。あの人混みの中でカツサンドを買ってきたら俺の右腕として認めよう。』
『ははー恩に着ります篤隊長!!必ずそのミッションを成功させて見せましょう。』
と言って俺から預かった千円を片手に飛び込んで行った。
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