女神の心

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あいつは足だけは速い。 元陸上部で中学の頃は県大会にでるほど速かったと言う。 少し追いかけたところで諦めた。後であいつの財布から奪い取っておこう。 行くところがない。将人はどうせあのスピードでコンビニまで行ったのだろう。 俺は学園内をぷらぷら歩いた。 『そうだ。誰もいない生徒会室で寝よう。』 俺は生徒会室に向かった。 生徒会室に入ると、今日の朝入ったときの印象とは比べものにならないくらいキレイに見えた。 俺は真ん中にある円型の大きな机に突っ伏した。 そして深い眠りについた。 『…内田……内田………』 誰かにさすられている。 目を開け後ろを向くと心配した顔をした高嶺先輩が立っていた。 『だいじょうぶ内田?』 『はい…先輩!今何時ですか!?』 『っえとー4時30分だけど…なんかあるの?』 『ぃえ…何にもないですけど』 俺は、3時間程ここで寝てしまっていた。もちろん午後の授業にもでていない。 『いつから寝てたの?』 『ついさっきです!誰よりも早く来て作業しようとしたら寝てしまって…すいません。』 生徒会長に昼休みから寝てたなんて口が裂けても言えない。 生徒会役員がそんなことしてたなんて知られたら何をされるかわかんない。 『だいじょうぶよ。それより生徒会室の掃除内田がやってくれたの?』 『まーいちよう。僕汚いところにいると落ち着けなくて…』 『ありがと。私も汚いところ嫌いだから少し早く来て掃除しようと思ったんだけど、内田のほうが早く来てるし部屋はキレイだからビックリしちゃった。ありがとね。ほんと内田が生徒会にいてくれてよかった。』 『ぃえ、僕も高嶺先輩と一緒に仕事できてとても嬉しいです。』 『ありがと。んじゃあ作業始めましょうか。』
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