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気がつくと生徒会室は生徒会役員であふれかえっていた。
高嶺先輩は相変わらず忙しくあちこちから呼ばれている。
『内田はあっちの人が呼んでるから代わりに行ってきて。』
『はい!』
この頃そうゆうのが増えてきた。少しは高嶺先輩の信頼を得てきたのかな?
『っあ…はいはい今行きます』
そんな考える暇はなく仕事をした。
『っふー疲れた…』
今日は疲れすぎて帰る気力もなくなっていた。
『内田おつかれ』
後ろから今までの疲れが吹っ飛んでしまうような天使の声が聞こえてきた。
俺の前には、ホットの缶コーヒーが置かれた。
『今日は頑張ってくれてありがとね。あんな人数私一人じゃ絶対出来なかったわ』
『いえぃえ、高嶺先輩に比べたら全然働いてないですよ。僕はただ先輩の補佐役として最低限のことをしただけです。』
でも先輩だったらあの人数でも一人で乗り越えられたと思う。
先輩の冷静な判断と速さには感心してしまった。
『っあ、コーヒー100円ですよね?』
俺は、財布から100円を取り先輩に差し出した。
『いぃのよ。今日は私のおごりだから。』
『ありがとうございます…』
なんでこんなにも優しいのだろう。俺の立場がもし将人だったら…考えるだけで鳥肌がたつ。なにより先輩がかわいそうだ。
もしピンク野郎が先輩になんかしたら俺は本気で殺しに行くと思う。
…なに俺はむきになってんだ?ただの妄想じゃないか。
俺はやっぱりこんなにバカになってしまっていたんだ。
やっぱり俺をこんなにしたピンク野郎を殺しとく必要がある。
今日の千円の貸しもあるからな。
そんなことを考えながら帰る用意をした。
『内田…今日一緒に帰らない?』
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