魔神

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俺達の目の前には、‐奴‐が立っていた。今日は、月食の夜だった…。 「お前は…ギガンテス!」 俺は怒りを込めて言った。 「そうだ。俺は、魔神ギガンテスさ。だが、俺だって、好きでこんな姿になった訳じゃない。俺だって元は人間だったんだ!愛する妻もいた!なのに、あいつが、ゼウスが…。俺をあんな世界に閉じこめやがった!」 「信用出来ない。」 セレンは言った。 「そりゃあ信用出来ないだろう。だが、話くらい聞いてくれ。俺も、あいつには、恨みがあるんだ。」 「…。話してみてくれ。内容によっては、お前に力を借りるかもしれない。」 「ユウキ!?」 恐らく、セレンはギガンテスの事を信用などしないだろう。勿論俺も、信用する気はない。だが、こいつの力を利用して、あの神野郎をぶっ殺した後、こいつを始末すればいいだろう。 セレンにその旨を目で伝え、納得させた。
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