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「神になるだって!」
俺は驚いた。
「そう。私が、犠牲になれば、世界は何事もなかったように回るのだから…。」
「ダメだそんなの!」
俺は叫んだ。
「俺も反対だな。」
ギガンテスは言った。
「もし、このままお前が神になったら、この俺の様に、後悔をしたまま永遠に生きる事になるのだぞ。」
「後悔はしないわ!」
「そんなの嫌だ!セレン、ずっと一緒にいるんだ!」
「ユウキ!あなたは私を残していったわ…。だから、今度は私も…。」
‐その言葉を待っていたぞ!‐
「なっ、何?」
「ぐわぁぁぁぁ!」
セレンと、ギガンテスの叫び声が聞こえた…。
俺の頭の中に、セレンが語りかけてきた。
「私は、もう、死ねない。だから、いずれユウキとは離ればなれになる運命だった。その時期が、ちょっと早く訪れただけなのに…、涙が止まらないよ…。私は、神様になった。もう、ユウキとは会えない。だからせめて、私の、神としての名前は、セレンではなく、あなたの名前をもらうよ。そして、もう一つ、私のお腹の中には、あなたの子供がいるの。その子の事を、あなたに託すわ。本当にごめんね…。今までありがとう。」
「セレンーー!」
俺は、大樹の根元で目覚めた。
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