彼氏と彼女

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変わってない。全然全く。 昔のままだ。 「センセ、俺の席、ソコ?」 友弥が指差す先を目で追う。 気付けば俺の左隣、窓際席に空席がひとつ。 確か昨日はなかったはず。 「早く溶け込んでもらうためにソコにしたんだけど…」 担任、その親切心の裏目。 俺はよくわかるぞ。 そうして友弥の着席によって、どうにか騒ぎは治まったが…。 「このまま授業始めるぞ~」 担任はさっさと空気を変えるつもりだ。 担任、あなたの行動は正しい! こんな馬鹿に付き合ってたら時間の無駄だ! (こんな馬鹿って、もしかして俺の事?) 小声で友弥。 (あぁ、そうだよ) 「…っ!」 友弥が俺の机に頬杖ついて…って近っ! (お前思ってる事声に出てるぞ) (いいから、椅子戻してちゃんと座れよっ) 友弥の椅子を蹴って奴を戻そうとする。
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