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やっと苦痛の一時間目が終わった。
今日一日、俺の体はもつだろうか。
隣を見れば、友弥はクラスの奴らに囲まれてる。
あの性格だ。
打ち解け合うのは早いだろう。
だから…。
俺に構わないでくれ。
脱力感そのままに机に突っ伏してると、俺の頭の上で声がした。
「やっぱり壺井だよな」
あ?
顔を上げると目の前に大町が立っていた。
その隣には真樹。
「ここに入ったんだな」
懐かしい、変わってないじゃん、アイツ。
そう言って、なぁと俺に振る。
なぁって、俺には最悪だ。
「祐介、今日は寝なかったの?」
黙ってクラスの奴らの様子を見ていた真樹が、ふと俺の顔を覗き込んだ。
「あ、あぁ。寝れなかった」
「珍しいね。一時間目はいつも寝るのに」
正直に答えた俺に、真樹は首を傾げる。
一時間目の休み時間は、真樹は必ず俺のクラスに来る。
もちろん、俺を起こすためだ。
そして俺の顔についた何らかの跡を見て笑うのが、ちょっと情けないが日課だった。
確か昨日は消しゴムの跡だ。
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