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「なんか疲れてない?」
真樹が心配そうに言う。
「大丈夫だよ」
そうは言ってみたものの…。
疲れはかなり…。
頭を抱えそうになった時、何だか痛いくらいの視線が…。
そこで気付いた。
いつの間に立っていたのか、友弥が真横に。
クラスの奴らが俺達に注目する。
「よぉ、壺井。俺の事覚えてるか?」
「もちろんだよ。大町だよね」
気楽に話しかけた大町に、友弥は笑顔で返した。
でも、何でだろ。
違和感を感じたのは、俺だけか?
「で、ソノ子、誰?」
その会話の切り替えしにも違和感を覚えたが、大町は何とも思ってないみたいだ。
そして友弥が指差した、ソノ子は…。
「えっ!?あたし!?」
差された真樹はビックリして自分を指差してる。
そう、と友弥はニッコリ笑って頷く。
「あ、もしかして…」
わかった!
そう言って大町を指差す。
誰も何も言わない。
そんな教室の中に友弥の声だけが響く。
俺は黙って、目の前に立つ三人を見ていた。
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