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睡眠時間を削ってやった俺は、優しいと言われるべきじゃないのか?
楽しそうに話す二人は思うそ振りもなさそうだ。
そういえば…。
思い出したように大町が呟いた。
「お前さ、壺井覚えてる?壺井友弥(ツボイ・トモミ)」
壺井…友弥…。
覚えてる。
いや、忘れた事ない名前。
「なんかさぁ、昨日壺井を見掛けたって奴がいるんだけど…。帰ってきたのかな?」
首を傾げて昨日を思い出す振りをする大町。
帰ってきた?友弥が?
そんな話し…俺、聞いてない。
「ねぇ、トモミって誰よ」
黙って俺達の話しを聞いていた真樹が割って入る。
言い方に刺があるのは、気のせいじゃないだろう。
「別に気にする奴じゃないよ」
素っ気なく俺は言ったが、逆効果だったみたいで…。
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