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「梶井(カジイ)、どうした?」
呼ばれて我に返った。
そして気付く。
俺だけが立っている事に。
慌てて着席しようとした俺の耳に、懐かしい友弥の声。
「俺達、昔から友達なんですよ。ねっ」
サラリと担任に言い、ねっ、その部分で俺を見た。
へ~。
周りからそんな声が聞こえてくる。
このクラスには俺と同じ中学出身はいない。
だから友弥を知ってる奴がいない。
「今日から…」
「転校生、壺井友弥でーす!転校理由は色々あるけど、仲良くなったら教えてあげるので、ヨロシク!!名前呼ぶ時は気を付けましょう!」
担任の紹介コメントを分捕って、友弥は挨拶した。
両腕を振って自分をアピールしてる。
それに合わせて周りの奴らも大騒ぎ。
まるで選挙。
俺は呆れた。
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