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「「…………」」
(ヤッパこういう時って、男から話題だすもんなのか?よ、よし、なんか話題考えよう!!…話題…………話題ぃ……わだい…………ワダイ………マダイ……真鯛?………あ゛あ゛あ゛ぁあ!ねぇよ!話題がよぉ!! ねぇんだよぉ!!! 彼女いない歴と年齢が=の純情ボーイにはこんなの厳しいすぎ──
「……野君…」
「はいっ!!!!?」
微かに優里が何かを言ったのを、将太は聞き逃さなかった。
そして、自分でも驚くくらいのオーバーなリアクションでそれに食らいついてしまった。
……ごめん、ひかないで…
「宮野君……大事に至らなくて……ホントに良かったです…」
朝の青白くなった血色の悪い顔ではない、安心しきった穏やかな表情で彼女はそう呟いた。
「あ、あぁ…そうだな」
将太はその横顔を見て、フッと肩の力が抜けた。
(…やめた…や~めた!肩肘張るのや~めた!こんなん、俺らしくないよな!普通でいこう!普通で!その方がいいに決まってらぁ!!)
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