03 戸惑い

41/43
前へ
/242ページ
次へ
そして、それから少しして俺らは隣町の商店街にたどり着いた。 「……あ、…この辺までくれば…あとは人通りも多くて危なくないから…」 「あ…そ、そう?」 『家まで送ってくよ』という言葉をグッとこらえ、ここで別れることにした。 初日からとばすのはよくない………と思う。 うん、よくないよ。 一緒に帰っただけでも進歩だよ。うん。 「じゃ、じゃあ気ぃつけてな?」 「はい。リリーのこと、よろしくお願いしますね…それでは、また」 「あぁ、また明日」 そう言うと、優里は明るいアーケードの中を自転車で走っていった。 .
/242ページ

最初のコメントを投稿しよう!

53人が本棚に入れています
本棚に追加