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--コンコンコン
「っあ…は、はい」
不意になったノックの音に反射的にベットから上半身を起こし応えた。
「…失礼する」
返事をして病室に入ってきたのは、まだ秋の中頃だというのに黒のロングコートを着込み、革の手袋をつけた首藤 有紀だった。
有紀は俺を見ると、息をのみ一瞬驚いたような顔をしてから眉間にしわを寄せ、怒ったような……どことなく悲しそうな表情をした。
「首藤……………」
「…………………」
互いの間に沈黙が流れる。
何から聞けばよいのだろう。
聞きたいことが多すぎる。
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