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有紀は何も言わない。ずっと怒ったような表情でこちらを見つめている。
「……なんか知ってんだろ?」
「知らない」
「嘘だな」
この一言で有紀の表情に陰りが出始めた。
「テメェの背中にだって、羽がはえてたじゃねぇか」
「…知らない」
徐々に目線は俺から逸らされるように下に落ちていき……
「あの怪物を凍り付かせたのだって、テメェがやったんだろ」
「……知ら…ない…」
「っ…ふざけんな!!!! そんな嘘通るわけねぇだろ!!!!! 説明しやがれ!!!!!」
「…………………」
俺が溜まった感情ぶちまけた時には、完全にうつむいていた。
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