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「……っえ──あっ!!」
その人たちを見るや否や、有紀はピシッと姿勢を正し、軍隊よろしく、見事な敬礼を男性にした。
男性はそれが当たり前のように、右手でそれを適当にあしらうと、ニコニコと笑いながら俺の方を見た。
(なっ…なんだ、なんだ!?)
「君が宮野 凛太くんだね?」
「はぁ……」
「私は小堂 和樹(ショウドウ カズキ)。自衛官だ。以後よろしく。」
そう言って彼は名刺を差し出してきた。自衛官のクセにこの体型って……よほど偉い人なのだろうか?っつか、敬礼してるってことは有紀も自衛官なのか?
「は、はぁ……」
そんな疑問で顔を訝しめながら、俺はそれを受け取った。
「ふふふ…」
小堂さんは満足そうに笑うと、椅子を一緒に部屋に入ってきた女性にベットの隣りまで持ってこさせて、それに腰掛けた。
「さて、何から話そうか?……そうだなぁ、君はあの怪物をどう思った?」
「ど、どうって……」
俺は言葉に困った。
あの時の感情はうまく言葉にできない。
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