プロローグ

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「んふふ……、つう……てん、かく……」 (通天閣!?) もう限界だった。 「天見、お前ちょっと待――」 たまらずに声をあげるも、釘也の視界に飛び込んできたのは今まさに反応を起こさんとするクァネ粒子。 線香花火のように粒子がお互いに反応し合い、火花にも似たものを放ちながらグラウンドの姿を変えていくそれは、まさに現代の魔法だった。 しかし、奇跡が常に人々に幸福を与えるとは限らない。 少なくとも、こんな奇跡はいらない。 姿を変えていくグラウンドを見つめながら、釘也は信じたこともない神様に祈った。 祈るしか、なかった。
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