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小鳥たちがチュンチュンとさえずる声で目を覚ます朝。
爽やかな目覚めの定番といえばそんな感じだけど、私の朝は一味違う。
「うっ……うぅん」
私は隣の部屋から聞こえる音で目を覚ます。
「はぁ……今度は何をしでかしてんだか」
私はベッドから出て、隣の部屋に移動する。
扉を開けた途端に、凜が私に向かって倒れ込んできた。
「凜、朝からなにしてたの?」
凜は私の言葉を無視し、四つん這いのまま階段を駆け下りた。
「ちょっ凜!!……あっちゃー」
私の予想通り、凜は勢い良くすっころんだ。
凜は驚いたのか、壁に叩きつけられた状態のままフリーズしてる。
「おーい、大丈夫?」
私は凜に声をかけたが、凜はゆっくりと起き上がった。
そのまま階段を駆け上がり、階段を前転で転がり落ちた。
「……気に入ったのね」
凜はこくこくとうなずき、再び階段を駆け上がる。
「はい、もうやめなさい。そんな事したら体壊れるよ」
再び転がり落ちそうな凜を止め、一階の居間に向かった。
とりあえず朝食を食べて、凜を連れて行かないと。
昨日寝る前に電話したらあの人も興味津々だったからなぁ……
「って凜!!水こぼしてる!!」
……もう預けようかしら。
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