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「はぁ……凜、それはお皿といって食べれない物なのよ?」
トーストを完全無視して皿にかぶりつく凜に私は話しかける。
凜は理解したのか諦めたのか、皿から口を離した。
「ほら、食べるのはこっち」
私は凜のトーストを皿に乗せて、差し出した。
すると凜は、トーストをペロペロと舐め始める。
「……凜、普通に食べていいのよ」
私は自分の分のトーストを頬張り、凜はそれをまじまじと見ていた。
やっと理解したのか、凜は私と同じようにトーストを頬張る。
そのまま頭をぶんぶんと激しく振り回し、噛み千切った。
……すごい食べ方だ。
「そんなワイルドに食べなくていいわよ」
私はトーストを完食し、コップに入れた牛乳を飲み干した。
さて、着替えないと……でも。
(ブチン、ガタッ!!ダンダン!!)
凜の様子が気になって満足に動けない。
というか今どういう状況なの?コレ。
「……ここで着替えるか」
私は居間のソファに置いてある私服に着替える為に、パジャマの上下を脱いだ。
その時に事件は起きた。
「ん?あーっ!!待ちなさい!!凜!!」
凜が私のパジャマ上下を口にくわえながら、居間狭しと走り周り始めた。
(ピンポーン)
なんでこのタイミングでインターホンが鳴るのよ……
「ちょっと待ってくださーい!!って凜!!待ちなさい!!」
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