空っぽな彼

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「覚えてくれてるかな……」 学校帰りの私は今、少し不安げな表情を浮かべる。 なぜなら、今日は私の家に幼なじみがやってくるからだ。 幼なじみが家にやってくるなんて普通だと思うけど、私の場合は普通じゃない。 幼い頃、彼の親の事情で遠くに引っ越す事になり、私達は離れ離れになった。 だから、会うのは本当に何年ぶりになるのか…… 彼の両親が事故で亡くなり、海外で働いている私の両親が家に引き取ったらしいけど……来るのは今日でそれを知らされたのは昨日。 私の親ももう少し早く言ってくれればもうちょっと彼のための準備があったのに…… 「もう17時か……もう着いてるかな?」 携帯で時間を確認し、私は家の前に立つ。 先に中に入って待ってると思うけど…… (ガサッ) 「えっ!!……何?」 私が扉を開けようとした時、庭から妙な音が。 「誰か……居るの?」 私は恐る恐る庭に近寄る。 そこには、一人の人間がいた。 「だ、誰?」 私はその人に問いかけた。 しかし、返事は返ってこない。 「……まさか、凜?」 私はそう言うと、その人は頭をふっと上げて振り向いた。
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