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しかし……このままじゃ凜とコミュニケーションが取れないな。
声は出ないし文字も書けないなら……よし!!
「凜」
僕は凜に話しかける。
「言葉の練習……してみようか」
凜はこくこくと頷いた。
「じゃあまずは……あ。僕の言っのを真似してごらん」
すると凜は、口を開けたが……声が出ない。
「あ。言える?」
しかし凜は、口を開けたまま制止している。
これはしばらく練習が必要かな……
だけどコミュニケーションを取るなら他にも方法がある。
僕はカバンから画用紙とクレヨンを取り出した。
そしてその画用紙にクレヨンで「あいうえお」と書く。
「凜、僕のこの字を真似して書いてみて」
僕は口を開けたままの凜にクレヨンを渡す。
すると凜は、クレヨンを口の中に入れようとした。
僕は少し慌てて止め、凜の口を閉じる。
「ほら……書ける?」
すると凜は、画用紙にクレヨンを当てた。
いい感じだ、そのままクレヨンをゆっくり動かして……
(ボキッ)
……クレヨンが折れた。
「もっと力抜いて?ゆっくりクレヨンを動かせばいいから……はいもう一回」
そう言い、僕は凜に別のクレヨンを渡す。
そして僕は凜の後ろについてクレヨンを持ってる手を持ち、いっしょに書く事にした。
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