40人が本棚に入れています
本棚に追加
あれから約一時間ほどたっただろうか……
凜はなんとか自分の力で「あいうえお」を書けるようになった。
字はよれよれですごく汚いが、まぁいいだろう。
ふぅ……少し休憩するか。
「凜、少し休憩しよう」
しかし凜は、僕の言葉を聞かずに一心不乱に画用紙に何か書いている。
……どうやら絵のようだ。
うーん……人物っぽいな、髪の毛も長いし女の子かな?
「へぇ……凜、この子誰?」
すると凜は、急に部屋を飛び出した。
「え?ちょっ……凜!?」
僕は慌てて部屋を飛び出し、凜の後を追う。
どうやら凜は居間に向かったようだ。
「凜!!急にいったいどうし……」
居間に着いた途端に、凜は僕の横を走り抜ける。
今度は二階?何を伝えたいんだ?
とりあえず向かおう……何をしでかすか分からないからな。
「凜、どこだ?」
僕が凜を呼ぶと、凜はさっきの画用紙と花美の服を口にくわえながら僕の元に来た。
しかし、人間でもこんな華麗な四足走行ができるものなんだな。
人間ってすごいね。
ん?花美の服と画用紙……って事は。
「この絵の女の子は花美か」
凜は大きく頷く。
しかし、どうして花美を描いたんだろう。
最初のコメントを投稿しよう!