40人が本棚に入れています
本棚に追加
「えー……なになに?」
彼は私を見た途端に、首輪のような物から一枚の紙を取り出した。
どうやら手紙のようなので、とりあえず読んでみる事に。
「お父さんから?なんだろ……」
花美(かみ)へ、元気か?凜(りん)からこの手紙を受け取ってる事を願っている。
「願っているって何よ……」
凜の異変に気づいたと思うが、彼は表情や言葉を失ってしまった。恐らく、両親の死亡がよほどショックだったらしい。
「確かに……」
それだけではなく、人間味も無くなり、猫というか幼児というか……とにかくせわしないったらありゃしない。
「は?」
だからできるだけ凜から目を離さないでほしい。それと……
彼を普通の人間に戻してやってくれ。以上。
「以上って……終わり!?」
というか急にこんな事頼まれても……とりあえず整理しよう。
彼は強いショックによって感情、言葉、人間味を失った。
猫や幼児のようにせわしなく、できるだけ目を離さないで……
目を離さないで?
……そういえば凜は?
「……しまった」
私は頭を抱えた。
最初のコメントを投稿しよう!