空っぽな彼

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家の中に入れるのも一苦労、というかこれを一人でやれと? アハハハ……お父さん、あたしゃあんたを恨むよ。 「まぁお父さんを恨むのは後にして……どうしよう」 まずこの人はまともに食事とか出来るの? 他にも問題点がありすぎる……服もボロボロだし、なんだか汚い。 おまけに髪の毛は無駄に長くてボサボサしてる。 でもこうやって見たら顔は普通にカッコ良かったり…… こういうキャラなら顔がカッコ良いよりかわいい方が合ってる気がするけどなぁ…… 「……何か食べる?」 私は床に寝そべっている凜に話しかけると、凜は急に耳をピクピクと動かしながら四つん這いで居間に向かった。 「あぁーもう!!何よ今の動き!!目もツッコミも追いつかない!!」 だいたい、耳をピクピクさせる人間なんてそうそう居ないと思うけど…… 「こらーっ!!凜!!」 私が居間に到着した時には、部屋は散らかってた。 犯人はもちろん、凜だ。 「凜!!部屋を散らしたらダメでしょ!!」 凜は私の言葉を理解出来なかったのか、首をかしげる。 「はぁ……もういいや、とりあえずソファーで休んでて」 私がそう言うと、凜はソファーの上に移動し、その場でくるまった。 なんでこっちは理解できるのやら……
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