空っぽな彼

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とりあえず何か食べよう……お腹空いた。 「……何かあるかな」 私は冷蔵庫を開け、中の食材を確認する。 ……面倒くさいからカップ麺でいいか。 まぁ、私はこれでいいんだけど…… 「……何食べるんだろ」 問題は凜。 未だにソファーの上でくるまってる。 そのうち耳とか尻尾とか生えてくるんじゃない? とりあえず聞こうかな。 「凜、何食べる?」 私の言葉に反応した凜は、じろじろとこちらを見る。 しばらく私を見ると、今度は私の左手に手を伸ばしてそのまま掴んだ。 「な、何?」 私が驚いたのもつかの間、私の左手に激痛が走る。 「痛い痛い痛い痛い!!凜!!痛いから止めて!!」 私の声に驚いた凜は、ぱっと離れる。 ……まさか噛まれるとは、久々に涙出たよ。 「凜!!これは私の腕で食べ物じゃないの!!」 私は凜を叱ったが、凜は私の言葉を華麗にスルーし、冷蔵庫を開けようとする。 しかし、凜は冷蔵庫の開け方が分からず、爪で引っかいてばかりいた。 仕方ないので私が冷蔵庫を開け、中にあった魚肉ソーセージをあげた。 私の左手の時とは明らかに違う反応を見せ、魚肉ソーセージを無我夢中で食べた。 私の左手の犠牲はなんだったんだろう……
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